ヘモグロビンは赤血球構成成分の大部分を占めています。
そのため、赤血球の働きは、ヘモグロビンの働きと考えてもよいでしょう。
ヘモグロビンは、ヘムという鉄を含んだ赤い色素とグロビンというタンパク質、との複合体で、その分子量は約68000で、血液が赤く見えるのはヘモグロビンのためです。
そして還元鉄が主成分で核となっています。
人間は呼吸によって酸素を取り入れ、代謝産物である二酸化炭素を排出します。
この酸素の運搬には、赤血球のなかにあるヘモグロビンが重要な役割を果たしています。
肺からからだの組織への酸素運搬において赤血球を客車、酸素を乗客に例えると、ヘモグロビンはその座席ということになります。
また人間の体内では物質代謝の結果として酸が生じます。
しかし、酸が生じてもその酸を処理して画が変わらないように調節する、恒常性機能が働きます。
この調節を緩衝作用(バッファー)といい、この一部の機能をヘモグロビンが担っています。
ヘモグロビン量は、男性で10歳代から20歳代にかけて急上昇して最高値に達して、それ以後は加齢とともにゆるやかに低下していきます。
女性は初潮を経験した、10歳代から40歳代まではほぼ同値を示し、閉経期を過ぎた50歳代の更年期において、わずかの上昇をした後は、加齢とともに低下していきます。
最も多くの量を示す年代は成人期で、男性では血液1dl中に約16gで、女性では約14gを示します。
またヘモグロビンの寿命は約120日と報告されています。
ヘモグロビン量不足による代表的な疾患としては、貧血があげられます。
これは赤血球が異常に減少し、ヘモグロビン量が少なくなるために起こる疾患で、組織に供給される酸素量が不十分で、顔面蒼白、疲労感などの貧血症状が現われてきます。
また酸素量不足は加齢とともに現われ、末梢の血管を中心に全身の血管が硬化し、循環抵抗が大きくなるためです。
そのために高齢になると、血圧が上昇してくるのが老化の特徴でもあります。
高齢者の運動実施による血液に及ぼす影響として、ヘモグロビンと赤血球数は、いずれも同年代の一般人の値より高く、運動強度が増加するにつれて値が高くなる傾向があります。
最大の運動トレーニングによる変化については、運動直後でヘマトクリット値、赤血球数、ヘモグロビン値ともに増加の傾向が見られますが、60歳以上と60歳未満を比較すると、60歳未満の若い方が、増加が著しいと報告されています。
また、中高齢者の血液性状の特徴として、赤血球数や、ヘマクリット値に対して、ヘモグロビンが相対的に多いとも報告されています。
疾病予防のためにもヘモグロビン量増加を目ざし、運動習慣を生活のなかに確立したいものです。
また、運動トレーニングの実施の前にはメディカルチェックを医師のもとで行なうことも大切です。
(長寿研究家・河成鎮也)